書籍(趣味)

イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』

私は生まれてからずっと東京で暮らしている。多少は移動があるが、常に中央線沿いという中途半端な都会で生きてきた。勿論キャンプやら旅行やらに行くのは好きだが、それはあくまで日常と乖離した「異物」としてそれを楽しんでいるにすぎない。私の日常は東…

カート・ヴォネガット・ジュニア『猫のゆりかご』

なんか日本人が続いたんで、たまには洋モノを。 カート・ヴォネガット・ジュニアは特にアメリカにおいて非常に著名な作家の一人である。特に大学生などに人気の作家らしい。で、そのブレイクのきっかけとなったのが本作『猫のゆりかご』である。 この人の著…

稲生平太郎『アクアリウムの夜』

ライトノベルに関して。 繰り返し流される通俗的な嘘の一つとして、「最近の若者は文字を読まなくなっている(もしくは本を読まなくなっている)」というものがある。所謂「最近の若者」の趣味として、文字を使わないものなんか殆どない。携帯だってネットだ…

中島らも『頭の中がカユいんだ』

連続して日本人二人目です。何となく。 中島らもと言えば、ある意味非常にポピュラーな作家だとは言えると思う。何せ死後数年たった今(2009年1月)でもジュンク堂に専門の棚がある位ですしね。ただし、この人の作品には当たり外れが大きい。特に後期の作品…

筒井康隆『薬菜飯店』

筒井康隆氏の著作と言えば、(基本的に)外れ知らず。昔のハチャメチャSFから実験文学系まで、全体的にクオリティが異常に高い。才能が尽きる気配が無いというか、とにかく天才としか言いえようがない人です。その中でも『薬菜飯店』は個人的にはベストに…